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結論から言うと、ネイリストの就職状況はとても良好です。その理由は単純で、昔に比べてネイルの施術が一般的になってきたからです。
女性においては、美容院に行ったり化粧品を選んだりすることと同じレベルで、ネイルが一般的になりつつあります。最近では、男性における身だしなみの一環としても、ネイルケアやハンドケアが行われるようになってきました。
これら需要の増大に対し、ネイリストの数が追いついていないのが現状。資格取りたての新人でも、よほど贅沢を言わない限り、就職に困ることはありません。
正社員ネイリストの平均年収は、およそ340万円。この給与を安いと高いと感じるかは、人それぞれでしょう(日本人全体の平均年収は男女合わせて450万円ほど)。
ちなみに、同じ程度の平均年収の仕事に保育士がありますが(年収300万円ほど)、保育士の資格を取得するまでの過程や、そのハードな仕事内容と比べると、ネイリストを「おいしい仕事」「割の良い仕事」と感じる人もいるかもしれません。
ある求人媒体に掲載されていたネイリストの求人例をご紹介します。ご覧いただければ分かりますが、なかなかの好待遇です。
給与 | 月給26万~50万円 【給与例】ネイリスト経験5年以上で正社員の場合 ・26万円~+各種手当最大3万円+歩合+交通費 |
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勤務時間 | 9:30~21:00(平日)/9:30~20:00(土日祝日) ※上記のうち8時間(早番・遅番のシフト制) |
仕事内容 | ネイル施術を中心としたサロンワーク全般 |
休日 | 月8日/有給休暇あり/年末年始休暇/慶弔休暇/産休・育児休暇 ※連休・土日休み可 |
福利厚生 | 社会保険完備/交通費全額支給(ガソリン代含む)/昇給制度/指名料全額バック/資格取得支援精度/独立開業支援精度/研修制度/従業員同士の食事費用補助/時短制度/制服貸与/従業員寮/社員割引、ほか |
各種手当 | 役職手当(最大8万円)/店舗手当(最大4万円)/皆勤手当/技術手当/残業手当/地域手当/遅番手当/階級手当/物販手当/口コミ手当、ほか |
先にも触れた通り、ネイルサロンの正社員として働く場合の平均年収は340万円ほど。ボーナスを考慮せず、単純に12ヶ月で割れば、月給は28万3千円くらいになります。
ただし、この年収・月給は、あくまでも全国のネイリストの平均値。経験の浅い新人ネイリストであれば、より低い給与になる傾向があり、逆に経験の豊富なベテランネイリストであれば、より高い給与になる傾向があります。
また、人口の少ない地方よりも、人口の多い都市部のほうが給与は高めと考えて良いでしょう。
ネイルサロンの店長クラスの平均年収は240~480万円ほど。年収の幅は非常に広いと考えてください。 年収の幅が広くなる理由は、勤務するサロンの経営状態によります。たとえば、地方にある小規模で知名度の低いサロンの場合、あまり高い年収は望めません。逆に、都市部にある大規模で有名なサロンの場合、高い年収が期待できるでしょう。
なお、経営状態が安定している人気店の中には、歩合給制度を採用しているところもあります。実力を付けて店長になれば指名も増えることから、歩合給のサロンであれば、さらに高い給与を目指すこともできるでしょう。
ネイルサロンを独立開業した場合の平均年収は、人によって全く異なります。なぜならば、自分の収入はサロンの売上次第だからです。サロンの売上よりも経費のほうが高ければ、赤字になり収入はありません。逆に、サロンの売上が莫大であれば、年収1000万円を超えることもあるでしょう。
固定客をつかんだ状態で開業する特殊な例でもない限り、開業当初の数ヶ月は、ほぼ無収入と考えたほうが良いかもしれません。諦めずに地道に集客・営業活動を続けることで、少しずつ収入アップが期待できるでしょう。
ネイルスクールの講師の平均年収は350万円ほど。単純に12ヶ月で割れば、月給は29万円少々になる計算です。正社員ネイリストより、少しだけ高いようです。
ただし、ネイルスクールの講師になるには、通常はネイリスト1級の資格を取得しなければなりません。JNA認定講師の資格が要求されるスクールもあります。それら難関資格を取得するためには、高額な受講料を払って資格スクールで学ぶ必要もあるでしょう。
正社員ネイリストの平均年収や店長クラスの平均年収などをご紹介しましたが、それらの平均年収は、あくまでも経験年数や勤務先の条件などを考慮していない概算です。ネイリストの給与相場について、もう少し具体的に見てみると、次のようなイメージになるでしょう。
ネイリストとして就職した当初は、初任給15~20万円の範囲でスタートすることが一般的。その後、勤続年数が増えるにしたがって給与が上がり、入社3年目になると18~22万円前後になります。早い人であれば入社3年ほどで店長になる例もあるので、この時点で給料が30~40万円になることもあります。
また、契約社員やパート・アルバイトのネイリストで働く場合の給与相場は、時給で800~1,500円ほど。正社員の場合と同様に、ネイリストとしての経験や実力、保有資格などにより時給が大きく変わってきます。
一般に、ネイルサロンでは閉店時間が決まっているため、残業という考え方自体がありません。
ただし、「閉店時間を過ぎてからもお客さんに施術し続ける」という意味での残業はありませんが、「スキルアップのため、閉店時間を過ぎてからサロンに残って練習する」という意味での残業は、よくあることでしょう。
後者の意味での残業の場合、サロンの指示で練習したり講習会に参加したりするのであれば、通常は残業代が出ます。一方で、自主的な判断でサロンに残って練習した場合、残業代が出るかどうかはサロンの判断によると考えましょう。
自主練習としての残業の場合、自己判断での残業であることに加え、材料代や電気代はサロン持ちになることが一般的なので、残業代を期待しないほうが無難かもしれません。
ネイリストで給与・年収をアップさせる主な方法には、次のようなものがあります。それぞれの方法の中でも、特に自分の特性に合った方法を選び、その方法でひたすら努力していきましょう。
すぐにでも年収をアップさせるための一番手っ取り早い方法は、今よりも給料の高いネイルサロンに転職することです。ただし、転職先の昇給システム等によっては、必ずしも長期的な収入が有利になるとは限りません。
歩合給制度を採用しているネイルサロンに就職し、多くの指名客をつかむことで給与がどんどん上がっていきます。ネイリストとしての実力に加え、接客技術などの多面的な能力が問われるでしょう。
ネイリスト1級やジェルネイル上級、認定講師などの上位資格を取得することで、「資格手当」を付与してくれるネイルサロンもあります。就職先を比べるときには、「資格手当」の有無や金額もチェックしておくと良いでしょう。
ひたすら努力をして店長を目指す、という方法もあります。人手不足のネイル業界なので、本人の努力次第では、入社3年ほどで店長に昇格することも珍しくありません。
技術力にも営業力にも自信があるならば、ネイルサロンを開業する方法もおすすめです。予約の絶えない人気店になれば、年収1000万円超になることも夢ではありません。
サロンに勤務しながら、空き時間に出張ネイリストなどの副業で稼ぐ、という方法もあります。ネイリスト派遣会社では出張ネイリストを募集していることがあるので、気になる方はチェックしてみてください。
ある程度の経験を積んだら、自分の経験を基に、一般向けのネイルセミナーを開いてみても良いでしょう。「趣味のネイル講座」「セルフネイル講座」などであれば、やや経験が浅めなネイリストでも無理なくこなせるのではないでしょうか?
自分の技術を磨くために作ったネイルチップを、そのままネット上で販売するという方法もあります。サイトに登録すればスマホ1つでネット販売ができるので、決してハードルは高くありません。
ネイリストが接客業である以上、身だしなみや話し方などが重視されることは当然。服装や自爪もセンス良くまとめていきましょう。
その上で押さえておきたいポイントが、コミュニケーション能力。面接官の話をさえぎらず最後まで聞く姿勢、間合い・返答の内容などの適切さ、明るい雰囲気、親しみを感じられる人柄など。他の業界と同様に、人間性全般が重視されていると考えてください。
なお、面接で実技を課される例が多いので、スクールの先生と相談するなどし、面接までにしっかりと対策を磨いておきましょう。